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2017年04月

交通事故による高次脳機能障害でも,無事に職場復帰はできますか?

 
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交通事故による高次脳機能障害でも,無事に職場復帰はできますか?

交通事故で高次脳機能障害になったQさんは、会社が高次脳機能障害に理解を示して,働きやすい仕事環境を用意してくれたおかげで,職場復帰ができました。




 職場復帰 



◆完治しなくても仕事ができる?



脳の機能の一部が壊れることが原因で発症する高次脳機能障害は,完治しないと言われています。

その理由は,いったん損傷した脳を元通りにすることは,現代医学の技術では不可能だからです。その結果,高次脳機能障害になると,損傷した脳の部位によって様々な後遺症が残ります。




交通事故で頭を打って高次脳機能障害を発症したQさんの場合は,失語症と脱抑制という後遺症が残りました。高次脳機能障害の後遺症で知能の低下が見られる人もいます。しかし,Qさんは,言葉がうまく出てこないこと,感情のコントロールがむずかしいことを除いて,知能の低下はありません。

つまり,現在問題になっている症状が回復すれば,ふたたび会社で戦力として働けるということです。
Qさんは,回復期にリハビリテーションに熱心に取り組んだおかげで,失語症と脱抑制の症状は,かなり軽くなりました。




しかし,会社は多くの人で成り立つ組織であり,社会の縮図でもあります。
同僚との何気ない会話や,取引先との挨拶,電話の応対などで,適切な言葉を選べなければ,人間関係にひびが入る可能性があります。感情を抑えきれずに,すぐ怒るようでは,部下に嫌われるでしょう。

主治医は,Qさんは職場復帰が可能であると判断しましたが,単に仕事に戻るのではなく,会社の環境をQさんのために整えることが大事であると考えました。










◆病院と会社担当者が,面談をして職場環境を整える


リハビリテーションチームは,Qさんの会社の人と連絡を取り,Qさんの健康状態と職場で起こりうる問題行動を説明しました。そして,なにより本人に仕事をしたいという強い意欲があることを理解してもらうことに留意しました。



Qさんは,新卒で入社してから長年に渡って会社に貢献してきたので,会社にとってQさんはかけがえのない人材です。会社の担当社員は,当初,高次脳機能障害で脳にダメージを受けては仕事の能力も失っているのではと心配しました。 

しかし,医師から,Qさんの高次脳機能障害による後遺症は,知能に影響を与えていなこと,今後も通院リハビリテーションを続けることで,さらに回復する余地があると説明を受け,Qさんが再び会社の戦力になり得ることを理解しました。




リハビリテーションチームとQさんの会社は,Qさんが仕事に復帰するために,以下のような仕事の環境を考えました。

・指示は1つずつ,言葉だけでなく,メモにして渡す。

・感情のコントロールがしやすいように,隣の席と低いパーティションを設けるなどして,できるだけ静かな環境で働いてもらう。

・Qさんのペースで働けるように仕事を配分する。


退院してまもなく,Qさんは職場復帰を果たしました。Qさんは,再び仕事ができることに生きがいを感じています。Qさんが努力してリハビリテーションを行ったことと,会社が高次脳機能障害の後遺症に理解を示して,働きやすい環境を用意したことが,Qさんのスムーズな職場復帰を成功させたのです。




▼参考記事
交通事故解決事例080「会社員が高次脳機能障害,肩関節の可動域制限,股関節の可動域制限により併合6級の認定を受け5296万円を獲得した事例」




(弁護士法人よつば総合法律事務所)

交通事故で高次脳機能障害で,記憶障害でも仕事をする事は可能ですか?

 
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交通事故で高次脳機能障害で,記憶障害でも仕事をする事は可能ですか?

交通事故で高次脳機能障害を発症し、記憶障害の後遺症が残ったZ子さんですが、メモを取ったり手順表を作るなどの工夫をすることで、仕事を再開することができました。




 高次脳機能障害:記憶障害 



◆頭を打っただけなのに,一生治らない病気になるなんて


貿易会社で営業事務をしているZ子さん(27歳女性)は,就職して5年,営業マンから頼りにされ,仕事にやりがいを感じていましたが,休日に交通事故に遭って入院することになりました。

外傷は足の骨にひびが入り,全治1カ月との診断です。さらに,路面で後頭部を強く打ったので脳のCT(コンピューター画像撮影)をしました。




会社の人たちが見舞いに来て,Z子さんがいないと仕事が滞って大変,派遣社員が来て働いているけれど,はやりZ子さんのようには仕事をこなせない,早く仕事に戻ってきてと言われました。そこまで言われたら,一日も早く仕事を再開したいZ子さん。足にギプスをつけたまま松葉づえで通勤したいくらいの気持ちでした。


しかし,医師はZ子さんに待ったをかけました。脳の画像診断の所見は,脳の一部が損傷しているので,慎重な経過観察が不可欠なのだそうです。
骨にひびが入ったこと以外に,痛むところはないし,食欲も旺盛,問題があるようには思えませんが,医師の言葉を聞いてZ子さんはドキッとしました。誰にも話していないのですが,ついさっきあったことや昨日の出来事を思い出せないのです。




昼食を食べ終えて1分後に,何を食べたか思い出せず,これはおかしいと気になってはいたのですが,まさか脳と関係しているとは。Z子さんは,こんなに物覚えが悪くては,多忙を極める営業事務の仕事に復帰するのは絶望的だと悲観しました。







◆記憶障害という後遺症


Z子さんは,高次脳機能障害の後遺症の一つである記憶障害を発症したのです。
しかし,記憶障害があってもZ子さんの知能は,事故に遭う前となんら変わりません。


医師は,物覚えが悪くなったことは,リハビリテーションである程度改善できますが,完治は難しいことをZ子さんに伝えました。それと同時に,Z子さん自身で自分の記憶を補助する仕組みを工夫することで,じゅうぶん仕事をこなせるであろうとも告げました。






◆本人の努力と会社の配慮で記憶障害を克服


医師は,Z子さんが今の仕事が好きで早く仕事を再開したいと望んでいることを理解していました。
Z子さんに自分の記憶をサポートする工夫をするよう提案したところ,Z子さんは次のような方法を考えました。

・ノートに、与えられた仕事を逐一メモして,仕事を終えたらチェックマークを付ける。
・自分あてに「TO DO LIST」をメールして,メールのリストを見て,仕事に漏れがないかどうか確認する。
・仕事の手順を紙に書いて,その紙を見ながら仕事する。


いずれも,高次脳機能障害による記憶障害のあるZ子さんが仕事をするのを助ける良いアイデアです。医師は,Z子さんの会社の人を呼んで,Z子さんが仕事を再開するにあたって配慮してほしい点を伝えました。

・Z子さんが仕事で使う物品の置き場は,できるだけ変えない。
・初対面の人の顔と名前を覚えるのが,苦手であることを理解してあげる。
・Z子さんが手順表などを作って,デスク周りに貼ることを理解してあげる。
・新たな仕事を与えるときは,口頭だけでなくメモも渡す。


会社は,Z子さんの事務能力をおおいにかっていたので,Z子さんが仕事に復帰する環境づくりのために,医師の助言に従うことを約束しました。Z子さんは,本人の努力と会社の人たちの協力で仕事を再開し,充実した毎日を過ごしています。




▼参考記事
よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」

No,60「臭いが分からなくなった!?」〜頭部外傷と嗅覚障害〜(文責:前田徹))

No,080「交通事故においての医師との関わり(書類作成編)」(弁護士 小林義和)

(弁護士法人よつば総合法律事務所)




高次脳機能障害による遂行機能障害を克服して,仕事を再開することはできますか?

 
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高次脳機能障害による遂行機能障害を克服して,仕事を再開することはできますか?

高次脳機能障害で遂行機能障害になると簡単な動作ができなくなりますが、自分で声かけするなどの工夫で職場復帰の可能性を持てます。




 遂行機能障害



◆簡単なことができなくなった


エンジニアのLさん(男性39歳)は,休日に奥さんと買い物に行く途中で車にはねられて転倒し,頭を強く打ちました。
外傷は,擦り傷の他には特に目立ったものはありませんでしたが,頭を打ったということで、救急病院に運ばれ精密検査を受けました。

しばらく安静ということで,入院していたLさんの様子が,交通事故に遭う前と違うことにLさんの奥さんはすぐ気づきました。奥さんがお見舞いに行き,談話室に移動して自動販売機でジュースを買おうとした時のことでした。

小銭の入ったお財布をLさんに渡し自動販売機に行き,「わたしは缶コーヒー以外なら何でもいいわ,あなたは何を飲む?」と話しかけても,黙って立っているのです。「さっき喉が渇いたと言っていたのに,今は何もほしくないの?」と問いかけると,ムッとした様子で何も買わずに病室に戻ってしまいました。


Lさんは,高次脳機能障害の後遺症の一つ,遂行障害を発症していたのです。

Lさんの奥さんは,Lさんの行動がおかしいこと,ものごとを頼んでも実行せず無視することを,医療チームに伝えました。




普段の生活で,何気なく行っている連続した行動が遂行機能です。脳の働きの中でも特に高度な機能なのですが,脳が高速で情報を処理するおかげで,私たちはほとんど脳の命令を意識することなく,スムーズに行動できるのが、遂行機能の特徴です。




つまり,遂行機能を使って行動していることに,普段は気づかないのです。
自動販売機の前に立って,飲みたいものを選び,その値段を確認し,表示してある価格どおりかそれ以上の硬貨を財布から出,、硬貨投入口に入れ,飲み物を取り出し,釣銭があれば釣銭の出口から硬貨を取り出します。

誰かに飲み物を買うことを頼まれたのであれば,相手が飲みたい飲み物を,多数ある選択肢のなかから選ぶ作業も加わります。遂行機能を駆使しているから,これだけのことを何気なく行うことができるのです。

Lさんは,遂行機能障害のため,物事の優先順位が付けられない,頼んだことを実行できず放置してしまうなどの症状が現れていました。


奥さんから小銭入れを渡されたLさんは,それをどう扱って良いか,どうしたら自動販売機に入っている飲み物を取り出して飲めるのかわからなかったので,行動を中止してしまったのです。










◆遂行機能障害をリハビリテーションで克服


なんらかの形で残り,完治することはないのが,高次脳機能障害による後遺症です。
しかし,遂行機能障害は,リハビリテーションである程度軽減させることが可能です。

優秀なエンジニアであるLさんが,遂行機能障害があるからというだけで,退院後も家に閉じこもり,社会復帰しないというのは,社会にとっても損失ですし,Lさん自身も早く会社で仕事をしたいという希望を持っていました。




Lさんの遂行機能障害のリハビリテーションでは,次のような注意が払われました。

・手順を声に出して行動する
・やるべきことをノートに書いて,ノートを見ながら行動する。
・セルフチェックリストを作り,やり残したことがないか確認する。


Lさんの奥さんには,次のような注意が与えられました。

「遂行機能障害の人は,一度に複数のことを行うのが苦手なので,何かを頼むときは1度に1つずつにしましょう。」


朝,起きて布団をたたむ,顔を洗う,歯を磨く,ワイシャツを着てネクタイを締めるなどの一連の動作を,声に出しながら行うことで、動作がスムーズになります。郵便はがきを投函して帰りにスーパーでお肉を買って来てと頼むのではなく,投函だけ頼むようにすれば,行動がよりシンプルになります。

つまり,より単純な遂行機能を使うようにすれば,Lさんは行動しやすくなり間違いも減るのです。

Lさんは,リハビリテーションと奥さんの協力で,日常生活に差支えない程度まで遂行機能障害を克服しました。現在は,中堅社員として会社で生き生きと働いています。




▼参考記事
よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」
No,61「通院時からの丁寧なサポート」(文責:松村茉里)




(弁護士法人よつば総合法律事務所)

交通事故に遭い,高次脳機能障害で注意障害を発症しました。注意力の持続を訓練して社会復帰することは可能ですか?

 
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交通事故に遭い,高次脳機能障害で注意障害を発症しました。注意力の持続を訓練して社会復帰することは可能ですか?

高次脳機能障害で注意障害を発症すると、注意力が持続せず半覚醒の状態が続きますが、適切なリハビリテーションは、症状を緩和さて注意力の持続を促します。




 注意障害 



◆事故に遭う前はこんなに飽きっぽい人ではなかったのに


Pさん(男性33歳)の奥さんは,交通事故に遭ってからというもの,あたかもPさんの人格が一変したようだと心配していました。

Pさんは頭を打って入院し,事故の当日は意識がなかったものの,翌日には意識を取り戻し,その後は順調に回復している様子
でした。



しかし,奥さんが見舞に行った時,いつもと様子が違う点が多々ありました。
・ベッドから体を起こしていても,半分ねぼけたような様子で反応が鈍い

・Pさんが愛読していた週刊誌を病室に持っていっても,ページをぱらぱらめくっただけで雑誌を放り投げてしまい,読む様子がない。

・ゲーム好きのPさんのためにゲーム機を病室に持ち込んでも,ゲームに集中する様子はなく,5分もするとゲーム機を手放してしまう。


Pさんは,高次脳機能障害による注意障害を発症していたのでした。

医師から,注意障害についての説明を受けたPさんの奥さんは,集中力の欠如は,人格が変わったのではなく後遺症だと聞いてひとまず安心しました。しかし,高次脳機能障害は完全に治らないと告げられ、困惑しました。




Pさん夫婦には2人の子どもがおり,Pさんが一家の大黒柱として働かなければ,生活が成り立たないにもかかわらず,今のPさんの状態からすると,とても会社で勤勉に働けるようには思えません。







◆階段を上るように,徐々に高度な課題に挑戦


医師は,リハビリテーションプログラムを作って実践していくことで,注意障害の症状が軽くなると励ましてくれました。


注意障害のあるPさんには,長い時間を費やさなければ達成できないような課題を,いきなり与えても実行不可能です。
始めは,短時間でできる単純な課題を与え,それを確実にクリアできたら,次第に時間がかかりより複雑な課題を行うリハビリテーションプログラムが作成されました。








◆Pさんはグループ訓練でもリハビリテーションに集中


注意障害は,環境に依存することが多いので,社会復帰に備えてグループ訓練によるリハビリテーションも行われました。


5人がリハビリテーションルームに集まり,かるた取りをしたのですが,Pさんはセラピストが驚くほどの集中力を訓練の間,維持することができました。Pさんは,リハビリテーションの効果により,半覚醒の状態が現れることが減り,社会復帰が可能と診断を受け退院しました。



高次脳機能障害で注意障害になっても,リハビリテーションに熱心に取り組むことで症状が緩和したPさんは,もうじき職場復帰する予定です。




▼参考記事

よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」:84「医師を味方につけよう!」  
文責:弁護士 前原彩


(弁護士法人よつば総合法律事務所)


交差点での交通事故の過失割合はどのような割合になりますか?

 
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交差点での交通事故の過失割合はどのような割合になりますか?

交差点上で交通事故が起こる場合には,信号機がある交差点のケースと信号機がない交差点のケースがあり,状況によって過失割合が異なります。




 交差点での交通事故の過失割合 



◆信号機のある交差点上の事故


交差点上で交通事故が起こる場合には,信号機がある交差点のケースと信号機がない交差点のケースがあるので,以下では分けて解説します。



(1)直進車同士の事故
信号機のある交差点上で,直進車同士の事故の場合,信号機の色によって過失割合が異なります。

【一方が,一方がの場合】
青の自動車「0」「100」赤の自動車

【一方が黄色,一方がの場合】
黄色の自動車「20」「80」赤の自動車

【どちらも信号の場合】
双方共に「50」「50」です。




(2)右折車と直進車の事故
信号機のある交差点上の事故には,右折車と直進車の事故もありますので,この場合の過失割合を確認しましょう。直進車同士の事故と同様,信号機の色によって過失割合が異なります。


【直進車も右折車もともに,信号機がの場合】直進車「20」「80」右折車

【直進車が黄色で進入し,右折車が青で進入して黄色で右折した場合】
直進車「70」「30」右折車

【直進車も右折車も,黄信号で交差点に進入した場合】
直進車「40」「60」右折車

【直進車が,右折車がの場合】
直進車「100」「0」右折車

【直進車がで進入し,右折車が青で進入した後交差点内で赤に変わってしまった場合】
直進車「90」「10」右折車

【直進車が,右折車が黄色で進入して交差点内で赤になってしまった場合】
直進車「70」「30」右折車

【直進車も右折車もの場合】
直進車「50」「50」右折車










◆信号機のない交差点上の事故


次に,信号機のない交差点上の直進車同士の事故を見てみましょう。


【同じ幅の道路の事故】
同幅員の場合,双方が同じくらいの速度なら,左側走行の車が優先されるので,左側走行車「40」「60」右側走行車となります。

【一方通行違反がある場合】
違反のない車「20」「80」一方通行違反の車となります。

【一方の道路幅が明らかに広い場合】
同程度の速度なら,道路幅の広い車「30」「70」道路幅の狭い車

【一時停止規制がある場合】
同程度の速度なら,規制のない側の車「20」「80」規制のある側の車

【一方が優先道路の場合】
優先される側の車「10」「90」劣後する車




なお,信号機のない交差点上の事故の場合,一方が減速・徐行するとその過失割合が下がるケースがあります。交差点では,信号のあるなしにかかわらず非常に事故が多いので,交通ルールを守ってよく注意することが大切です。




▼参考記事
よつば総合法律事務所:「交通事故の過失相殺とは」

(弁護士法人よつば総合法律事務所  弁護士 佐藤 寿康 )

プロフィール
弁護士法人よつば総合法律事務所
地域最大級の弁護士14名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
柏事務所:千葉県柏市(柏駅徒歩3分)
千葉事務所:千葉市(千葉駅徒歩3分)

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