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2016年06月

弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか その1【まさかの追突事故?!編】

 
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私,大澤一郎は昨年交通事故の被害にあってしまいました。
当事務所では年間400件前後の交通事故の相談をしています。
私も当然多くの交通事故の相談を行っています。
今回,体を怪我する交通事故の被害にあってしまいました。(今は完治しました。)





弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか その1【まさかの追突事故?!編】

弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか 【目 次】
(1)その1【まさかの追突事故?!編】
(2)その2【通院は大変…編】
(3)その3【相手が任意保険無保険だった!編】
(4)その4【どうなる?!賠償交渉編】



■平成27年秋(事故発生)

家族と東京に車で出かけ,国道6号線を柏に向かって運転している所でした。時間は夜7時ころです。赤信号で車を停止していると,突然後ろから強い衝撃を受けました。車4台の玉突き事故の一番前でした。

事故の場合はすぐに警察を呼ぶというのは鉄則ですので,すぐに警察を呼びました。警察の人は「物損扱いでいいですか」という趣旨のニュアンスの話をしてきました。私は首・腰のあたりが痛かったので「怪我をしているので人身扱いにしてください」という趣旨の話をしました。






■【ポイント】怪我をしている場合には人身扱いにしましょう

怪我をしているにもかかわらず,警察が物損事故(物件事故)として処理をしてしまうことがあります。怪我をしている場合には必ず人身扱いにしましょう。警察官からは「人身事故扱いにすると時間がかかりますよ〜」「物損事故扱いでも保険は問題なく出ますよ〜」というニュアンスを強く感じました。
しかし,ここで人身扱いにしなかったばかりに後で苦労されている方をたくさん見てきています。怪我をしている場合には人身扱いにしましょう。




■2時間位かかりました・・・。

事故発生→警察を呼ぶ→警察の事情聴取→警察が事実関係や距離の測定という流れで進み,だいたい2時間位は現場で色々やりとりをしました。「何でこんな時にこんなに時間とられなくてはいけないんだ〜」と若干頭にきましたが,ここは冷静に対応するしかないと自分に言い聞かせて,冷静な対応に終始しました。



■かわいそうな後ろの車の人


4台の玉突き事故ですので,間の2台の人も基本的には被害者です。しかし,かわいそうなことに,最初,私の後ろの車の人は警察から加害者扱いされていました。しかも,後ろの車の人はメガネが壊れてしまったらしく,よく見えないというかわいそうな状況でした。後ろの車の人も警察によく事情を話した結果,警察の人も事故の状況をやっと理解したようです。






■さらに事故発生!

私たちが警察と話をしていると,「どんっ!」と大きい音がしました。横でまた交通事故が発生しました・・・。多分,4台の玉突き事故で警察の人もたくさん来ていましたので,その事故の状況を見ていてよそ見をしていたのではないかと思います。警察の人も「またぶつかったぞ」と何とも言えない表情で話していました。(弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか(2)に続く)




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)



弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか その1【まさかの追突事故?!編】

弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか 【目 次】
(1)その1【まさかの追突事故?!編】
(2)その2【通院は大変…編】
(3)その3【相手が任意保険無保険だった!編】
(4)その4【どうなる?!賠償交渉編】




弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか その2【通院は大変…編】

 
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私,大澤一郎は昨年交通事故の被害にあってしまいました。(今は完治しました)
事故は夜7時ころでしたので,その日は病院に行くことはできませんでした。

翌日,自宅近くの整形外科のクリニックに通院しました。事故から1〜2週間経過してから病院に行くと,保険会社も病院も事故による負傷と認めてくれないことがあります。
仕事を一部休んでとにかく整形外科に行くことが大切ですので,まずは整形外科に行きました。





弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか その2【通院は大変…編】



弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか 【目 次】
(1)その1【まさかの追突事故?!編】
(2)その2【通院は大変…編】
(3)その3【相手が任意保険無保険だった!編】
(4)その4【どうなる?!賠償交渉編】





■【ポイント】事故日と初診日について

事故日と初診日が2週間以上空いていると,事故と症状との因果関係が否定される確率が圧倒的に高まります。
また,事故日と初診日が2週間以上空いていると後遺障害が否定される確率も圧倒的に高まりますので要注意です。




■整形外科は混んでいた・・・。

病院が混んでいることは十分理解していたつもりです。しかし,何と,申込みをしてから診断書をもらって病院を出るまでに4時間半もかかりました。初診の申込み→レントゲン撮影→医師の診察→リハビリ→診断書の作成依頼→診断書の受取という流れでした。2〜3時間で終わるかなと思っていましたが甘かったです。今後も整形外科でリハビリを継続することになりました。




■【ポイント】通院期間をあけすぎてはいけません!


(1)2ヶ月以上通院期間をあけた場合や,
(2)1ヶ月以上の通院期間があいている状況が2回ある場合
には,事故と症状との因果関係がないということで保険会社から治療費の支払がなされないことがありますので要注意です
また,後遺障害も認定されない確率が非常に高くなりますので要注意です。






■リハビリは結構大変!

首と腰の痛みがありましたので,マッサージ,ストレッチ,電気を使った治療などをリハビリですることになりました。また,痛み止めのお薬もいただきました。とても丁寧にリハビリの方法を教えていただいたので,大変わかりやすかったです。「交通事故はなかなか治らないんですよね〜」「交通事故の患者さんは結構多いですけど皆さん治りが悪いんですよ〜」などという話をしていただきました。



■交通事故を多く取り扱っている弁護士であることを言おうかどうか・・・。

当事務所は地元では一番交通事故の被害者の案件を多く取り扱っています。また,私が通院した整形外科に通っている当事務所のお客様もいらっしゃいます。
最初は交通事故を多く取り扱っている弁護士であることは言わないようにしようと思っていたのですが,仕事のことを聞かれたので隠すのもあまりよくないと思いお話ししてみました。微妙な空気になってしまいましたが「とにかく頑張って治しましょう」ということで前向きに話は終わりました。(弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのかBに続く)



(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか その2【通院は大変…編】



弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか 【目 次】
(1)その1【まさかの追突事故?!編】
(2)その2【通院は大変…編】
(3)その3【相手が任意保険無保険だった!編】
(4)その4【どうなる?!賠償交渉編】






弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか その3【相手が任意保険無保険だった!編】

 
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私,大澤一郎は昨年交通事故の被害にあってしまいました。(今は完治しました)
事故翌日,何と,100%近い責任があると思われる加害者が任意保険無保険であることが発覚しました。現場では謝ってくれて,とても感じのよい方だったのですが…。
車の修理代,治療費全て自腹になってしまうのかと思いました。しかし,4台の玉突き事故で後ろの2台の過失割合が微妙であったことから,後ろの車の任意保険会社が一度立替して全て支払っていただけるという話になりました。





弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか その3【相手が任意保険無保険だった!編】

弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか 【目 次】
(1)その1【まさかの追突事故?!編】
(2)その2【通院は大変…編】
(3)その3【相手が任意保険無保険だった!編】
(4)その4【どうなる?!賠償交渉編】




■【ポイント】共同不法行為

複数台の事故の場合,1人が任意保険無保険でもあきらめるのはまだ早いです。
少しでも過失がある他の車両がある場合には共同不法行為となり,被害者は複数の加害者に全額を請求することができます。




■休業損害が支払われない・・・。

私は弁護士法人よつば総合法律事務所の代表弁護士,つまり,社長と同じ立場です。

保険会社から電話連絡があり,会社役員である旨を話すと,「会社役員の場合には休業損害が出ない事になっています」と説明されました。これは厳密に言うと間違っています。裁判を提起した場合,会社役員であっても休業損害が発生することはあります。実体として損害が発生しているかどうかが重要なのです。

とはいえ,仕事を休むわけにはいきません。しかも,相手任意保険会社の担当者も別件のお客様で交渉をしている相手方の担当者でしたので,弁護士であることを伝えることもどうかと思い,弁護士であることも伝えませんでした。結局,「会社役員の場合は休業損害は出ない」という話で終わってしまいました。






■【ポイント】自営業の休業損害

法人ではない自営業の休業損害の場合,確定申告書や帳簿などの資料を出すことにより,任意の交渉でも比較的休業損害が認められることもあります。他方,法人の代表取締役や取締役の場合には,任意の交渉により休業損害が認められる確率は低いです。会社の決算書を出して裁判まですることが必要なことが多いです。





■通院を継続

首・腰の痛みが続きましたので,1週間に一度程度の通院を継続しました。比較的遅くまでやっている病院なのですが,それでも時間ぎりぎりになってしまうことが多かったです。整骨院に行きたいという交通事故被害者の方からよくお話しがありますが,夜・土日の通院をしたいという場合には確かに整骨院の方が利便性があると感じました。

(弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか その4【損害賠償編】に続く)




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか その3【相手が任意保険無保険だった!編】

弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか 【目 次】
(1)その1【まさかの追突事故?!編】
(2)その2【通院は大変…編】
(3)その3【相手が任意保険無保険だった!編】
(4)その4【どうなる?!賠償交渉編】




弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか その4【どうなる?!賠償交渉編】

 
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私,大澤一郎は昨年交通事故の被害にあってしまいました。(今は完治しました)
無事,数か月の治療で怪我も治りました。さて,賠償交渉です。争いになっているのは通院慰謝料のみです。



弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか その4【どうなる?!賠償交渉編】

弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか 【目 次】
(1)その1【まさかの追突事故?!編】
(2)その2【通院は大変…編】
(3)その3【相手が任意保険無保険だった!編】
(4)その4【どうなる?!賠償交渉編】


               



■任意保険会社の当初提示額

保険会社の当初提示額はいわゆる自賠責基準です。通院1日当たり8400円です。





■弁護士なので赤い本の基準で送ってみた!

まだ相手には私が弁護士であることは伝えていません。その上で赤い本の傷害慰謝料の基準に基づく金額(裁判基準)を請求してみました。






■任意保険会社の回答

任意保険会社の回答は以下の回答でした
「ご請求いただいている慰謝料につきましては,弁護士基準での慰謝料になります。弁護士費用が発生するために設けられた基準ですので要求には応じかねます」





■私弁護士なんですけど・・・。

私弁護士なんですけど・・・。
しかも,赤い本の基準は「弁護士費用が発生するために設けられた基準」ではありません。赤い本の基準は過去の裁判例を元にして編集委員がまとめた日本でもっとも権威のある交通事故の請求金額をまとめた書籍です。保険会社の主張は「うそ」とまでは断定しませんが「事実とかなり異なる」意見です。





■事務所の弁護士に依頼をしてみました。

私の職場の席の隣の席にいる弁護士に委任状を渡して「弁護士に依頼」をしてみました。とすると,電話1本で慰謝料額が赤い本の基準になりました。
弁護士が代理をするだけで金額が変わるというシステムは本当に正しいシステムなのでしょうか。なんとなく腑に落ちない結論でした。






■【ポイント】弁護士が代理するだけで慰謝料が増える

入通院慰謝料,後遺障害慰謝料については,私の経験からしても,弁護士が入るだけで金額が増えることが圧倒的に多いです。





■弁護士が代理するだけで金額が増えるというシステムは変えるべきであること

今回,弁護士が代理するだけで私の慰謝料額は増えました。
しかし,制度として考えると,弁護士が代理するだけで慰謝料が増えるというシステムはおかしいのではないかと思います。弁護士が代理して医証を追加したり裁判例を根拠とした結果,保険金の額が増えたというのであれば納得できます。しかし,「弁護士が代理する」≒「慰謝料が増える」という現行のシステムは,交通事故に関わる関係者にとっては都合がよいシステムなのかもしれませんが,事故被害者にとって本当に良いシステムなのでしょうか。同じような怪我をして,同じような証拠がある場合には,弁護士代理の有無にかかわらず同じ保険金が支払われるというのが正しい制度であるように今回の事故を通じて強く感じました。


(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか その4【どうなる?!賠償交渉編】

弁護士が交通事故の被害にあうとどうなるのか 【目 次】
(1)その1【まさかの追突事故?!編】
(2)その2【通院は大変…編】
(3)その3【相手が任意保険無保険だった!編】
(4)その4【どうなる?!賠償交渉編】




交通事故でむち打ちになった場合の治療期間はどのくらいがよいのか教えてください。

 
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交通事故でむち打ちになった場合の治療期間はどのくらいがよいのか教えてください。
事故の大きさや,被害者の症状,治療状況によって,適切な治療期間は異なります。
治療期間は,相手側の保険会社ではなく,被害者の症状をよく知る主治医の医師が判断します。
 

【むち打ち症の治療期間】



■むち打ちの治療期間
車両に追突された衝撃で首が縦に大きく振れたときなど,交通事故によって首や腰にむちうち症状を抱えることがあります。
(診断書には頚椎捻挫,外傷性頸部症候群,むち打ち損傷などと記載されま。)事故の大きさや,怪我の重さ,個人の身体の構造,治療状況等によって,むち打ち症状の治療期間は様々です。

交通事故の損害賠償請求をする場面では,治療期間とは,事故日から症状が完全に回復したときまで,あるいは症状固定までの期間をいいます。症状固定とは,症状は残存しているが治療をしても大きな改善が見込めなくなった時期のことをいいます。
どのくらい治療を継続すべきかは個人差がありますので,むち打ち症だからといって適切な治療期間が決まっているわけではありません。被害者の訴える症状をきいて,主治医の医師が判断することになります。
一般的には,後遺障害等級が認定されるほどの重度のむち打ち症の方は,事故から6カ月(半年)〜1年くらいの間,診察とリハビリ治療を続ける人が多いです。

■相手保険会社への対応
事故発生から数カ月が経過すると,事故によっては,加害者側の保険会社から,「そろそろ症状固定してください」,「今月いっぱいで治療費の支払を打ち切ります」などと言われることがあります。
症状固定日は,患者の話をもとに,症状をよく知る主治医の医者が判断することであって,相手保険会社が決めることではありません。そのため,症状固定日をいつにするかについては,相手側の保険会社の言いなりになる必要はありません。

治療費の打ち切りについては,相手保険会社が事実上支払いを打ち切った場合,治療費の支払を法的に強制することはできません。もっとも,治療費の支払期間を延ばしてもらえる場合もありますので,相手方保険会社が治療費を打ち切ると言ってきた場合には,交通事故に詳しい弁護士に一度相談してみることをおすすめします。

■治療期間について注意するべきこと
交通事故で怪我を負ってしまった際,最も大事なのは身体をできるだけ事故前の状態に戻すことにあります。
できるだけ身体をもとの状態に戻すためには,適切な期間,治療を継続しなければなりません。
また,むち打ちの後遺障害等級(14級9号,12級13号)を認定する際,治療期間の長さが考慮されたと思われることがあります。たとえば,治療期間が1,2カ月と短い場合には,症状がそこまで重くなかったのだろうと考えられ,後遺障害等級がつくことはありません。そのため,主治医の診察,弁護士の法律相談を通じて,怪我の状態に応じて適切な治療期間となるように気を付けましょう。


(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 今村 公治)

保険会社に治療費の支払いを打ち切ると言われた場合の対応を教えてください

 
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保険会社に治療費の支払いを打ち切ると言われた場合の対応を教えてください。
主治医に治療の見込み・必要性を確認した上で,健康保険で通院する等の方法も考えられます。

【治療費の打ち切りと言われたら…】




■治療費の一括払い
交通事故に遭い,病院に通院する場合,例えば加害者の加入する保険会社に病院名・連絡先等を伝えて,かかった治療費を保険会社が直接病院に支払う(一括対応などといいます。)ことがよくあります。被害者側にとっても治療費を立て替えて,保険会社に請求する手間が省けますし,効率的な仕組みが取られています。

■治療費の打ち切り
しかし,保険会社が治療費をこれ以上払わない,○月分までしか払わないなどと言ってくることがあります。
このように,治療費の打ち切りを打診されるケースは,通院頻度が低い場合,事故態様が軽微な場合,通院期間が一定期間を経過した場合(3ヵ月や6ヵ月などの期間が多いです。)などに多くみられるようです。

■治療終了の意味
治療の終了とは,治療の必要がないことと同義であると本来は考えられます。
ここで重要なのは,保険会社の判断に基づく,治療費打切り=治ったということではない,ということです。
保険会社も医療照会を行い,主治医に確認をしていることが通常ですが,保険会社独自の見解に基づいて打ち切りを強行してくることもあるように思います。このような場合,主治医に,今後の治療の見通しを確認するべきでしょう。治療の終了は治っていて治療の必要性がないか,あるいは治ってないが治療効果も見込めないという場合があります。後者の場合は後遺障害としての取り扱いを検討すべきです。

■治療を継続する方法
上述のように,被害者本人や主治医が治療の必要性があると考えていても,保険会社の判断で強引に一括対応を打ち切る場合が中にはあります。このような場合であっても,治癒期間は刻一刻と進行していますので,何とか早期に治療を再開・継続する方法を検討すべきでしょう。このような場合,健康保険で通院する方が多いです。自身の加入している健康保険を使い一定割合の負担で,通院をすることができます。自己負担分については示談時に保険会社に賠償を請求します。
また,労災が適用される場合であれば,労災保険を使用する方法もあります。
自身の加入する保険(人身傷害保険など)を使用する方法もあります。

■後遺障害として進める方法
治療期間が一定期間に及んでおり,治療の効果が上がらない(これを症状の固定といいます)と診断されるとき,残存している症状が後遺障害に該当するか,その申請をすることが考えられます。詳しい方法は後遺障害の記事を別途ご覧ください。

■まとめ
治療費の打ち切りを打診された場合,保険会社の見解を鵜呑みにせず,主治医に相談しましょう。
治療が必要であるのに,打ち切られた場合,健康保険,労災,人身傷害保険の利用等を考えるべきです。保険会社の考えで,治療をあきらめるべきではありません。



(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 粟津 正博)
| 治療費 |

死亡事故の慰謝料(死亡慰謝料)について適正な金額を教えてください。

 
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死亡事故の慰謝料(死亡慰謝料)について適正な金額を教えてください。
死亡慰謝料の金額については,目安となる一定の基準金額はあるものの,具体的な事情
 によって慰謝料の金額が増減額されることがあります。

【死亡慰謝料の金額】



■死亡慰謝料の金額はいくらか
死亡慰謝料の金額については,目安となる一定の基準額があります。
裁判所の判断基準としてよく使用される損害賠償額算定基準(平成28年版・いわゆる「赤い本」)によると,死亡慰謝料の金額は,一家の支柱であれば2800万円,母親・配偶者であれば2500万円,その他は2000〜2500万円という目安があります。なお,「その他」とは,たとえば独身の男女,子供,現に職業に就いていない68歳以上の老齢者等が該当します。
このように,被害者の家族構成や生活状況によって,死亡慰謝料の基準金額が変わってきます。

■死亡慰謝料の基準額から増減される
死亡慰謝料の基準金額は,具体的な事情によって増減額されることがあります。そのため,慰謝料が増額される事情がある場合には,慰謝料の増額を求める主張を忘れずにする必要があります。
たとえば,酒酔い運転が原因の事故や,ひき逃げ事故,加害者が事故後に責任を認めず被害者側の名誉を傷つける言動をとった事故など,加害者の悪質性が強い場合には,死亡慰謝料が増額されることがあります。

■死亡慰謝料が増額された裁判例
加害者の悪質性等を理由に死亡慰謝料が増額された事例として,たとえば次のような裁判例があります。(福岡高裁平成27年8月27日判決)。
被害者は,68歳の男性で,年金受給者ですでに仕事はしていませんでした。
被害者は,青信号交差点を自転車に乗って横断していたところ,赤信号無視で交差点に進入してきた加害者の車に衝突されました。被害者は事故が原因で死亡したため,被害者の妻と子らのが加害者に損害賠償請求をしたという事案です。
裁判所は,加害者が操舵段階で明らかに客観的事実と異なる事実を説明した点や,裁判段階で不誠実な対応をとったことなどを考慮して,死亡慰謝料のうち被害者分を2150万円と認定しました。

■自賠責の基準
自賠責保険金の支払基準として,死亡による損害について被害者1名につき3000万円という基準があります。
この自賠責保険でいう3000万円という金額は,死亡慰謝料の基準金額ではなく,葬儀費用,および逸失利益,死亡慰謝料,遺族の慰謝料を合わせた総額の支払限度額ですので,混同しないようにしましょう。
なお,自賠責保険の基準金額は,一般的に弁護士が関与したときの基準よりも低額であることが多いので,何も知らないまま自賠責保険の基準に近い金額で示談しないよう注意が必要です。


(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 今村 公治)

交通事故で病院に通院する場合,治療費は誰が支払うのでしょうか。

 
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交通事故で病院に通院する場合,治療費は誰が支払うのでしょうか。
加害者側の任意保険会社が支払う場合が多いですが,それ以外にもいくつか方法があります。

【治療費は誰が支払うのか】


■はじめに…
交通事故に遭われた際,まずは体を治すことが一番重要なことです。治すためには,病院へ行き,治療に専念すべきですが,治療費の支払が誰からなされるのか,支払いが円滑になされるか気になるところです。
当然加害者本人が支払うことが原則ですが,現在は保険会社や国の制度を利用して,安定的かつ迅速に支払いを受けることが可能なようになっています。

■加害者側の保険会社
加害者側の任意保険会社が支払うケースが最も多くみられます。加害者側の保険会社に病院名や連絡先を伝えることで,保険会社が支払いの手続きをとります。
もっとも,例えばこちらの過失が一定程度大きいと加害者側の保険会社が考えて一括対応を拒否される場合,治療費の一括対応の打ち切りを断行された場合(詳しくは治療費の打ち切りについての記事などをご確認ください),そもそも加害者が任意保険会社に加入していなかった場合などは,以下の方法を検討する必要があります。

■加害者側の自賠責保険
被害者が治療費を病院に支払った後,自賠責保険会社に直接請求することができます。これを16条請求ないし被害者請求といいます。自賠責保険会社に請求をする場合,自身で資料を揃える必要があるほか,一定の調査を要するので支払いまで時間がかかる場合があります。さらには,自賠責保険会社は治療費・休業損害・入通院慰謝料等を合わせて120万円までしか支払われないことに注意が必要です。

■労災保険
通勤中や仕事中に交通事故に遭った場合,労災保険を使って治療をすることができます。なお,上の自賠責保険と労災保険は併用することができないと言われています。また,国の通達では自賠責保険を労災に優先して使うこととされています。もっとも被害者としては,どちらを利用するか選択的に決めることができます。
労災を使う場合,治療費を労災が病院に直接支払ってくれることが多い(迅速な支払いがなされる),限度額がない,等のメリットがありますので,積極的に検討されるべきでしょう。また,自賠責保険では過失割合が7割を超えると補償額が減額されることが定められていますが,労災にはこのような決まりがありません。

■健康保険
通常の通院と同様に,健康保険を利用することも出来ます。この場合,利用者は一部の治療費を負担し(後日加害者等に請求することになるでしょう),健康保険組合等が残りの治療費を病院に直接支払います。

■自身の加入している保険を使う
例えば,車に追突された場合,自身の車について加入している損害保険に,治療費を支払ってもらえる特約(人身傷害補償保険等)がないか確認してみましょう。人身傷害補償保険によっても基本的に過失割合に関係なく治療費の支払いを受けることができます。

■政府保証事業
事故の相手方が無保険であった場合,国の事業を利用することもできます。

■おわりに
むち打ちなどは,事故から1か月は特に安静期,治癒期間だと言われることが多いですので,交通事故に遭った場合は,いち早く治療費の支払方法を確保した上で治療に専念できるようにしましょう。



(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 粟津 正博)
| 治療費 |

交通事故に遭ってしまいました。事故直後にやっておくべきことはありますか?

 
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交通事故に遭ってしまいました。事故直後にやっておくべきことはありますか。
まずはお怪我の応急措置が第一ですが,事故情報の記録化,保険会社とのやり取り,通院先の選択など,事故直後からやるべきことがあります。


交通事故直後にやっておくべきこと】


■事故態様を記録化すること
交通事故に遭ってしまった場合,まずは警察に通報しましょう。警察官に,事故の態様を正確に記録化してもらう必要があります。「小さい事故だから」,「相手の人がいい人そうだから」,「忙しくて時間がないから」などの理由から警察に通報しないまま放置することは禁物です。
交通事故があったことを証明する「交通事故証明書」が発行されなくなってしまいます。警察官に記録を残しておいてもらわないと,事故があったことや,事故態様の証明が困難になる場合があり,加害者に対して損害賠償請求をすることができなくなる可能性があります。

■加害者の情報を記録化すること
相手方の氏名,住所,連絡先,保険会社を相手方から聞いておきましょう。なお,交通事故証明書をみれば,相手方の氏名,住所,電話番号等がわかります。

■怪我の状態を記録化すること
事故直後から病院に行って,医師による適切な検査・治療を受け,事故直後のケガの状態を正しく診断書に記載してもらう必要があります。

■正しい治療をすること
事故直後から整骨院に通ってリハビリをする方がいますが,整骨院に通院する場合には,並行して病院にも通院して医師の診察をうける必要があります。

■交通事故に詳しい弁護士に相談をすること
早期の段階で専門家からのアドバイスを受けることによって,適正な後遺障害の等級認定をしてもらい,賠償金額が大幅に増えることがあります。他方で,事故直後の対応や症状固定前の対応を間違ってしまうと,適正な賠償を受けられない可能性が高いです。たとえば極端な話,後遺障害が残るような事案でも,医師が診断書に何も記載していなければ,あるいは適切な検査結果のデータがなければ,後遺障害がないと判断されてしまうことも考えられます。
医師への症状の伝え方,事故直後に受けておくべき病院の検査,健康保険を使うべきかどうか,相手方の保険会社への対応など,事故に遭った直後から様々な対応を迫られるため,正しい法律知識・経験が必要となります。
なお,交通事故にあまり詳しくない弁護士に問い合わせをした場合,「治療が終了してから(症状固定してから)相談に来てください」というアドバイスをうけることがあるそうですが,これは間違いです。




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 今村 公治)

後遺障害は誰が決めるのですか?

 
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後遺障害は誰が決めるのですか?
 現在の交通事故においては自賠責保険会社の認定結果が裁判等でも前提とされることが多いです。

【後遺障害認定について】

■後遺障害の認定がなされる際の2つのルート〜事前認定〜
例えば,治療終了となった際に,相手方保険会社は損害の賠償を行うべく示談交渉に入ります。

もっとも,後遺障害の有無が疑われる場合,相手方保険会社は自身で判断をすることなく,自賠責調査事務所という専門機関に事前に調査を依頼します。この調査事務所は,損保会社各社が共同出資の上,公平かつ迅速な保険金の支払いを容易にするため,保険金請求にかかる損害認定の調査専門機関として存在しています。

内部には専門の医者が所属し,後遺障害診断書,画像資料,経過診断書等一見記録を参照して,専門的な知見から後遺障害に該当するか否かの判断を下します。なお,大半の認定は書面審査の方法により行われています。

そして,相手方保険会社はこの事前の調査の結果(非該当ないし等級認定)を踏まえて,示談金額を提示してきます。このような相手方任意保険会社主導のルートを一般的に事前認定と言っています。

■後遺障害の認定がなされる際の2つのルート〜被害者請求〜
もっとも,被害者は自身について生じた損害を,相手方の自賠責保険会社に直接請求(16条請求・被害者請求などと言われます)することも出来ます。
例えば,後遺障害について生じた損害を賠償してもらうべく相手方自賠責保険会社に請求をした場合,自賠責保険会社は上と同様に調査事務所に調査を依頼します。そして,自賠責保険会社はこの調査結果(非該当ないし等級認定)をもとに,後遺障害に伴う賠償金を支払います。


■労働基準監督署

自賠法上の後遺障害の認定は,原則として労働者災害補償保険における障害の等級認定の基準に準じて行うことが定められています。もっとも,交通事故に遭われた方で労災を適用して通院されている方もいます。このような場合労働基準監督署において,後遺障害の認定がなされます。


■裁判所

裁判所では,上の自賠責調査事務所の認定を採用することが多いです。もっとも,裁判所が医学的証拠を査収の上,より独自に認定した等級を前提とすることもあります。また自転車事故などで,相手方に保険会社が関与していない場合には,裁判所が後遺障害の有無を判断することになるでしょう。


■まとめ

以上のとおり,後遺障害の認定は自賠責調査事務所を中心とするいくつかのルートがあります。なお,いずれのルートにおいても症状を裏付ける医学的な証拠が必要となりますので,注意が必要です。

(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 粟津 正博)
プロフィール
弁護士法人よつば総合法律事務所
地域最大級の弁護士14名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
柏事務所:千葉県柏市(柏駅徒歩3分)
千葉事務所:千葉市(千葉駅徒歩3分)

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