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加害者が無保険の場合

加害者が無保険の場合

最終更新日:2023年9月6日

監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 松本 達也

Q加害者が無保険でした。どうすればよいですか?
A加害者が無保険の場合、物的損害は次の対応を検討しましょう。
①加害者に直接請求
②(仕事中の事故などの場合)加害者の職場へ請求
③自らの車両保険へ請求

加害者が無保険の場合、人的損害は次の対応を検討しましょう。
①加害者に直接請求
②(仕事中の事故などの場合)加害者の職場へ請求
③車両所有者などの運行供用者へ請求
④(被害者が業務中や通勤中の事故の場合)労災保険へ請求
⑤人身傷害保険へ請求
⑥政府保障事業へ請求

加害者が無保険

加害者の無保険の種類

交通事故の損害には物的損害と人的損害があります。物的損害とは車の修理代などの損害、人的損害とは治療費や休業損害などの損害です。どちらの損害かにより対応が異なります。

また、交通事故の保険には自賠責保険と任意保険があります。どちらの保険が無保険であるかにより対応が異なります。特に、自賠責保険は物的損害を補償しませんので注意しましょう。

自賠責保険と任意保険の補償対象
物的損害の補償 人的損害の補償
自賠責保険 ×
任意保険

物的損害の対応

では、交通事故の加害者が無保険のとき、物的損害の対応はどうすればよいでしょうか?

自賠責保険は物的損害を補償しません。そのため、物的損害に関する無保険とは任意保険の未加入のことです。

物的損害で加害者が無保険のとき、被害者が検討できる対応は次の通りです。
①加害者に直接請求
②(仕事中の事故などの場合)加害者の職場へ請求
③自らの車両保険へ請求

①加害者に直接請求

加害者が無保険のとき、被害者は加害者に直接請求するのが原則です。加害者と交渉や裁判を行います。

ただし、無保険の加害者はお金を持っていないことが経験上多いです。加害者にお金がないときは、最終的にお金を受け取れない確率が経験上は高いです。

②(仕事中の事故などの場合)加害者の職場へ請求

加害者が仕事中の事故などのとき、加害者の職場へ請求できます。使用者責任と言います。
(民法第715条)

③自らの車両保険へ請求

自らの自動車保険の特約である車両保険に加入しているとき、自らの車両保険へ請求できます。

任意保険未加入のときの人的損害の対応

では、交通事故の加害者が任意保険未加入のとき、人的損害の対応はどうすればよいでしょうか?

人的損害で加害者が任意保険未加入のとき、被害者が検討できる対応は次の通りです。

  • ①加害者に直接請求
  • ②(仕事中の事故などの場合)加害者の職場へ請求
  • ③車両所有者などの運行供用者へ請求
  • ④(被害者が業務中や通勤中の事故の場合)労災保険へ請求
  • ⑤人身傷害保険へ請求

①加害者に直接請求

加害者が無保険のとき、被害者は加害者に直接請求するのが原則です。加害者と交渉や裁判を行います。加害者にお金がないときは、最終的にお金を受け取れない確率が経験上は高いです。

ただし、自らの自動車保険の特約である無保険車傷害特約が使えるときは、自らの保険会社へ請求できます。

②(仕事中の事故などの場合)加害者の職場へ請求

加害者が仕事中の事故などのとき、加害者の職場へ請求できます。使用者責任です。
(民法第715条)

③車両所有者などの運行供用者へ請求

運行供用者とは、自動車の運行を支配し、運行による利益を享受する者です。(自動車損害賠償保障法第3条)
運行供用者は、自動車を自ら運転する場合のみならず、他人に運転させて他人の運転を通じて自動車を間接的に支配する場合を含みます。

車両所有者は運行供用者となることが多いです。そのため、車両所有者へ請求ができることがあります。

④(被害者が業務中や通勤中の事故の場合)労災保険へ請求

労災とは、労働者が業務中や通勤中に事故が発生し、けがや病気が生じる事故です。労災事故は労災保険が使えます。そのため、労災保険へ請求できることがあります。

⑤人身傷害保険へ請求

人身傷害保険とは、交通事故で負傷等したときに人身損害を補償する、自らの任意保険に付帯した保険です。そのため、人身傷害保険へ請求できることがあります。

自賠責保険未加入のときの人的損害の対応

では、交通事故の加害者が自賠責保険未加入のとき、人的損害の対応はどうすればよいでしょうか?

任意保険未加入のときに検討できる対応に加えて、政府保障事業へ請求できることがあります。

政府保障事業とは、被害者が受けた損害を、加害者にかわって国が立替払いする制度です。加害者が自賠責保険未加入のとき、自賠責保険分に相当する損害の補償があります。

まとめ:加害者が無保険の場合

加害者が無保険の場合、物的損害は次の対応を検討しましょう。
①加害者に直接請求
②(仕事中の事故などの場合)加害者の職場へ請求
③自らの車両保険へ請求

加害者が無保険の場合、人的損害は次の対応を検討しましょう。
①加害者に直接請求
②(仕事中の事故などの場合)加害者の職場へ請求
③車両所有者などの運行供用者へ請求
④(被害者が業務中や通勤中の事故の場合)労災保険へ請求
⑤人身傷害保険へ請求
⑥政府保障事業へ請求

(監修者 弁護士 松本 達也

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