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交通事故の被害に遭い,後遺障害に認定されましたが,示談前に被害者が事故とは関係のない別の原因で死亡してしまいました。逸失利益に影響はありますか?

2017年10月12日
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交通事故の被害に遭い,後遺障害に認定されましたが,示談前に被害者が事故とは関係のない別の原因で死亡してしまいました。逸失利益に影響はありますか?

逸失利益には影響がなく,減額されることはありません。




 逸失利益 : 示談前に被害者が死亡した場合 



◆逸失利益は,就労可能年齢まで請求できるのが基本


交通事故で後遺障害が残り,労働能力が低下したとき,後遺障害逸失利益を請求することができます。

後遺障害逸失利益というのは,後遺障害が残ったことによって労働能力が低下したために,得られなくなってしまった将来の減収分のことです。




後遺障害逸失利益を計算するときには,いつまでの分を請求できるのかが問題となります。通常,人は一生働き続けるわけではないからです。

後遺障害逸失利益を計算するときには,「就労可能年齢」までの期間を考慮します。

一般的には67歳までが就労可能年齢とされているので,そこまでの分の後遺障害逸失利益を損害として計上することとなります(平均余命の半分までとされることもありますが,本件の議論から離れますので,以下は就労可能年数は67歳までという前提でお書きします。)。







◆事故後に別の原因で死亡しても,後遺障害逸失利益に影響しない


事故後に別の原因で死亡した場合,実際には67歳まで就労する可能性がなくなってしまったわけですから,67歳の就労可能年齢までの減収分である後遺障害逸失利益全額を損害として計上することができないのかとも考えられます。

この場合,症状固定から亡くなったときまでの分しか後遺障害逸失利益として計算できないのでしょうか?




裁判所は,そういった考え方はとっていません。

最高裁判所の平成8年4月25日の判決は,「交通事故で後遺障害が残った被害者の逸失利益を算定するとき,被害者が事故後に死亡したとしても,その事実は就労可能年数の算定に考慮すべきではない」と判断しています。


つまり,事故後示談成立前に被害者が死亡しても,その死亡した事実は無視して就労可能年数を算定し,後遺障害逸失利益を算定すべきだということです。




これは,法律上,交通事故が起こった時点において,すでに就労可能年齢までの後遺障害逸失利益が損害として発生しているので,その後に何が起こっても,すでに発生した逸失利益の金額には影響しない,という考え方があるためです。

そこで,本件でも,示談前に別原因で死亡したとしても,そのことと関わりなく,67歳までの分の逸失利益を損害として計上することができますもし,保険会社が「死亡時までの逸失利益しか支払いません。」と言ってきても,応じる必要はありません。




お読みいただいた感想はいかがでしょうか。「意外だな。」とお感じになった方もいらっしゃるかもしれません。

弁護士に相談する前に結論を決めつけてしまうのはあまりよくありません。どのようなことでも結構ですので,弁護士に相談してみてください。




▼参考記事
・死亡事故の解決事例
・死亡事故における慰謝料
・死亡事故の場合における生活費控除率




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤 寿康)
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