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交通事故による高次脳機能障害:左半側空間無視とリハビリテーション

2017年07月21日
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交通事故による高次脳機能障害:左半側空間無視とリハビリテーション

交通事故で頭を打ち,左半側空間無視という高次脳機能障害を発症しましたが,視線操作訓練などのリハビリテーションを行った結果,症状が改善して退院しました。




 左半側空間無視 



◆道順が覚えられない


Lさん(男性23歳)は,コンビニに買い物に行くために自転車で家を出て,交差点で自動車とぶつかり,頭を強く打って病院に運ばれました。


Lさんとその家族は,脳の画像診断を見せられて脳の一部が傷付いたことによる病気,高次脳機能障害を発症していると告げられました。



やがて,Lさんの家族はLさんの様子が交通事故に遭う前とは違うことに気付きました。

家族が面会に行くと,病室から団らん室に行きますが,団らん室は病室を出て廊下を左に曲がって15mほど行った左側にありますが,いつまでたっても団らん室への道順を覚えられないのです。病室を出ると廊下を右に曲がって,廊下を果てしなく歩き,すれ違った看護師さんが気づいて呼び止められるなどの問題が起きていたのです。

これは「道順障害」と呼ばれる脳の右半球の一部が傷付いたために起こる,高次脳機能障害の一種だったのです。




Lさんは,体の左側にあるものを無視するようになりましたが,これは右半球を損傷したことによる「左半側(はんそく)空間無視」と言う後遺症と診断されました。

Lさんは,左側に置かれた食べ物を食べ残し,新聞は右側のページしか読もうとしませんでした。
左半側空間無視により,病室を出て左側にある廊下を認知できないため,廊下を左に曲がるべきところを右に曲がってしまうので,道順障害が強く現れていました。

Lさんは,当面入院してリハビリテーションに専念することになりました。







◆リハビリテーションで症状の緩和を実感


LさんとLさんの家族は,はじめはリハビリテーションの効果について懐疑的でした。
というのは,医師から「高次脳機能障害は治らない病気」という説明を受けていたからです。

まだ20代のLさんにとって,病気が完治するかしないかは,これからの人生に大きな影響をもたらします。病気が完全に治るのなら頑張ってリハビリテーションに励むけれど,どうせ治らないのなら長期入院するよりも,早く家に戻りたいとLさんは思うのでした。




リハビリテーションスタッフは,リハビリテーションを行うことで,後遺症が完全に消えることはなくても,症状の改善が期待できること,たとえ後遺症が残っても,その症状に対してどう対処するか方法を覚えることができると,Lさんに説明してくれました。

Lさんは,理学療法士や作業療法士とリハビリテーションを開始しました。




左半側空間無視に対しては,視覚走査訓練,左側に置いたものを右側に移動するなどの作業を繰り返し行いました。「右側にエレベーターがあるから,ここを左に曲がって売店に行く」というように,声を出して自分の行動を確認するで,左側の空間を認識できないことを補いました。

道順が覚えられない道順障害は,左半側空間無視と密接な関係にあるので,左側の空間に対する注意喚起を行うリハビリテーションを繰り返し行いました。

リハビリテーションを繰り返し行った結果,道順障害の症状も徐々に緩和されていき,3カ月後,Lさんは無事退院しました。




▼参考記事
・よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」:後遺障害認定から逆算して治療中からのフォローが大事な理由
・よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」:膨大な過去事例の集積
解決事例:高次脳機能障害を負われた方の解決事例




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)
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