交通事故の死亡逸失利益の計算における生活費控除率とは何ですか?

2017年07月07日
このエントリーをはてなブックマークに追加

交通事故の死亡逸失利益の計算における生活費控除率とは何ですか?

生活費控除率とは,死亡逸失利益の計算のときに,被害者の生活費として必要だった金額を差し引くための割合のことです。




 生活費控除率 

◆生活費控除率とは


交通事故で死亡すると,相手に対して逸失利益を請求することができます。

逸失利益とは,死亡したことにより,将来得られるはずだったのに得られなくなってしまった収入のことです。逸失利益を計算するときには,就労可能年数に対応する収入の計算をします。

しかし,死亡すると,本来かかるはずだった生活費が不要になります。

そこで,逸失利益からは,この不要になった生活費の分を差し引かなければなりません。そのために生活費控除を行います。そして,生活費控除率とは,この生活費の控除を行うための計算割合です。




死亡逸失利益を計算するときには,
基礎収入×就労可能年数に対応するライプニッツ係数×(1−生活費控除率)で計算します。

そこで,生活費控除率が多ければ多いほど,死亡逸失利益の金額は減ってしまうことになります。







◆生活費控除率の割合


次に,生活費控除率の割合を見てみましょう。
これについては,自賠責保険基準と任意保険基準,弁護士・裁判基準で異なる割合が採用されています。

(1)自賠責基準
自賠責基準での生活費控除率は,以下のとおりです。被害者に被扶養者がいるかいないかで区別されます。
・被害者に被扶養者がいる場合 35%
・被害者に被扶養者がいない場合 50%





(2)任意保険基準
次に,任意保険基準による生活費控除率を見てみましょう。
これについては各任意保険会社によっても異なりますが,概ね次のような数字が採用されています。

任意保険基準では,被害者に被扶養者がいたかどうかや,被扶養者の人数によって生活費控除率が異なります。

・被害者に被扶養者が3人以上いる場合 30%
・被害者に被扶養者が2人いる場合 35%
・被害者に被扶養者が1人いる場合 40%
・被害者に被扶養者がいない場合 50%




(3)弁護士・裁判基準

それでは,慰謝料が最も高額になる弁護士・裁判基準ではどのようになるのでしょうか?

弁護士・裁判基準では,被害者が一家の大黒柱であったかなかったかによって,異なる割合が採用されています。また,任意保険基準と同様,被扶養者の有無や数によっても生活費控除率が異なります。

《被害者が一家の大黒柱であったケース》
・被扶養者が1人 40%
・被扶養者が2人以上 30%



《被害者が一家の大黒柱ではなかったケース》

・女性の場合 30%
・男性の場合 50%





以上のように,生活費控除率が大きくなると逸失利益が半額になることもあるので,生活費控除率がどのくらいになるかは重大な問題です。

弁護士・裁判基準を使うと被害者にとって有利になるケースが多いので,弁護士に相談してみてください。




▼参考記事
・よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」:死亡事故の場合における生活費控除率
・解決事例:死亡された方の解決事例
・よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」:交通事故被害がない社会




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤 寿康)
プロフィール
弁護士法人よつば総合法律事務所
地域最大級の弁護士14名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
柏事務所:千葉県柏市(柏駅徒歩3分)
千葉事務所:千葉市(千葉駅徒歩3分)

<< 2017年 07月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
最新記事