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個人事業主をしていますが,確定申告書上は赤字です。このような場合も交通事故での休業損害は認められるのでしょうか?

2017年06月29日
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個人事業主をしていますが,確定申告書上は赤字です。このような場合も交通事故での休業損害は認められるのでしょうか?

個人事業主が赤字の場合であっても,休業損害が認められる可能性はあります。認められるかどうかや計算方法は,事案によって異なります。




 個人事業主 休業損害 


◆休業損害の計算方法



交通事故前に働いていて収入があった人の場合,交通事故によって負傷すると働けなくなることがあります。

特に個人事業主の場合には,働けなくなった日数分の収入がそのままなくなってしまうので,非常に影響が大きいです。

このように,交通事故によって働けない期間が発生すると,休業損害が発生します。


休業損害とは,働けなかったために得られなくなった収入分を相手に支払い請求できる損害のこと
です。

休業損害を計算するときには,「1日あたりの基礎収入×休業日数」となります。
1日あたりの基礎収入は,基本的には事故前の実収入によります。それに,実際に休んだ日数をかけて休業損害を計算します。







◆個人事業主の基礎収入


それでは,個人事業主の基礎収入はどのようにして計算するのでしょうか?
これについては,確定申告書の記載内容を基準にして計算します。




具体的には,申告所得額を基準にして,固定経費の支出があったら,その金額を足す計算をしています。確定申告書は1年分の収入なので,これを365日(うるう年なら366日)で割って1日あたりの基礎収入を算出します。

そうなると,個人事業主が前年度赤字になっていた場合には,基礎収入が0になってしまうので,休業損害が認められないと言うことになりそうです。







◆固定経費を基礎収入とする


個人事業主が前年度赤字であったとしても,実際には働いて収入があるわけですから,休業損害が全く発生しないというのは不合理なケースがあります。


そこで,個別の事情により実際に収入があったと認められる場合には,相当分の休業損害が認められます。たとえば,固定経費の支払い分が基礎収入として計算するケースがあります。固定経費は必ず支払うものなので,少なくともその分の収入はあったはずだという考え方によります。





◆平均賃金を基礎収入とする


もう1つの考え方は,平均賃金を採用する考え方です。

たとえば過少申告などで,確定申告書の記載内容と実際の収入があっていないことがありますし,実際に入金があって収入があったことが明らかであるケースもあります。

このような場合には,被害者と同業種の平均賃金を使って基礎収入とすることが多いです。

たとえば大阪地裁平成18年6月14日判決では,個人事業主が赤字申告をしていた事案において,各種商品小売業者全労働者の平均賃金の7割程度の収入が得られる蓋然性が高いとして,321万3840円を基礎収入としました。この事案は逸失利益の基礎収入計算の事例でしたが,休業損害の基礎収入計算でも同じことが言えます。




▼参考記事
・解決事例:自営業の方の交通事故の解決事例
・交通事故HP:休業損害・事業所得者について(裁判基準)
・よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」:後遺症(14級9号・12級13号)における逸失利益




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤 寿康)
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