交通事故による高次脳機能障害でも,無事に職場復帰はできますか?

2017年04月03日
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交通事故による高次脳機能障害でも,無事に職場復帰はできますか?

交通事故で高次脳機能障害になったQさんは、会社が高次脳機能障害に理解を示して,働きやすい仕事環境を用意してくれたおかげで,職場復帰ができました。




 職場復帰 



◆完治しなくても仕事ができる?



脳の機能の一部が壊れることが原因で発症する高次脳機能障害は,完治しないと言われています。

その理由は,いったん損傷した脳を元通りにすることは,現代医学の技術では不可能だからです。その結果,高次脳機能障害になると,損傷した脳の部位によって様々な後遺症が残ります。




交通事故で頭を打って高次脳機能障害を発症したQさんの場合は,失語症と脱抑制という後遺症が残りました。高次脳機能障害の後遺症で知能の低下が見られる人もいます。しかし,Qさんは,言葉がうまく出てこないこと,感情のコントロールがむずかしいことを除いて,知能の低下はありません。

つまり,現在問題になっている症状が回復すれば,ふたたび会社で戦力として働けるということです。
Qさんは,回復期にリハビリテーションに熱心に取り組んだおかげで,失語症と脱抑制の症状は,かなり軽くなりました。




しかし,会社は多くの人で成り立つ組織であり,社会の縮図でもあります。
同僚との何気ない会話や,取引先との挨拶,電話の応対などで,適切な言葉を選べなければ,人間関係にひびが入る可能性があります。感情を抑えきれずに,すぐ怒るようでは,部下に嫌われるでしょう。

主治医は,Qさんは職場復帰が可能であると判断しましたが,単に仕事に戻るのではなく,会社の環境をQさんのために整えることが大事であると考えました。










◆病院と会社担当者が,面談をして職場環境を整える


リハビリテーションチームは,Qさんの会社の人と連絡を取り,Qさんの健康状態と職場で起こりうる問題行動を説明しました。そして,なにより本人に仕事をしたいという強い意欲があることを理解してもらうことに留意しました。



Qさんは,新卒で入社してから長年に渡って会社に貢献してきたので,会社にとってQさんはかけがえのない人材です。会社の担当社員は,当初,高次脳機能障害で脳にダメージを受けては仕事の能力も失っているのではと心配しました。 

しかし,医師から,Qさんの高次脳機能障害による後遺症は,知能に影響を与えていなこと,今後も通院リハビリテーションを続けることで,さらに回復する余地があると説明を受け,Qさんが再び会社の戦力になり得ることを理解しました。




リハビリテーションチームとQさんの会社は,Qさんが仕事に復帰するために,以下のような仕事の環境を考えました。

・指示は1つずつ,言葉だけでなく,メモにして渡す。

・感情のコントロールがしやすいように,隣の席と低いパーティションを設けるなどして,できるだけ静かな環境で働いてもらう。

・Qさんのペースで働けるように仕事を配分する。


退院してまもなく,Qさんは職場復帰を果たしました。Qさんは,再び仕事ができることに生きがいを感じています。Qさんが努力してリハビリテーションを行ったことと,会社が高次脳機能障害の後遺症に理解を示して,働きやすい環境を用意したことが,Qさんのスムーズな職場復帰を成功させたのです。




▼参考記事
交通事故解決事例080「会社員が高次脳機能障害,肩関節の可動域制限,股関節の可動域制限により併合6級の認定を受け5296万円を獲得した事例」




(弁護士法人よつば総合法律事務所)
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