交通事故で高次脳機能障害になっても仕事をすることはできますか?

2017年03月28日
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交通事故で高次脳機能障害になっても仕事をすることはできますか?

交通事故が原因で高次脳機能障害になったQさんは、失語症などの後遺症が残りましたが、職場復帰したいという一念でリハビリテーションを頑張り症状が改善しました。




 交通事故で高次脳機能障害になっても仕事をしたい



■頭を打って意識が戻った後も様子がおかしい


Qさん(58歳男性)は,定年まであと2年を残し,仕事一筋で働いてくことができたのも妻の内助の功あってこそだと思い,定年後は夫婦で旅行するのを楽しみに働いていました。
ところが,2月の早朝,自宅を出て駅に向かうQさんに向かって乗用車が暴走してきて,Qさんは跳ね飛ばされ頭を強打し,意識不明のまま救急病院へ運ばれました。


事故の原因は路面の凍結で,乗用車は速度オーバーで走っていたためタイヤがスリップしてもハンドルをコントロールできなかったのです。Qさんは,3日後に意識を取り戻しましたが,頭を打ったということで,後遺症がないかどうか慎重に検査を行いました。


その結果,脳の一部に損傷が見られると診断されました。
Qさんの家族は,意識が回復したことだし,めだつ外傷もないので,じき退院できると安心していました。







■また職場で働きたい


Qさんの様子がおかしいことに最初に気付いたのは,Qさんの奥さんでした。

言葉がうまく出てこないようで,会話が成り立たないのです。
交通事故に遭う前は温和な性格だったのに,怪我をしてから怒りっぽくわがままになったのも気がかりでした。

主治医は,Qさんの家族にQさんは高次脳機能障害を発症したこと,言葉が出にくいのは失語症(しつごしょう),怒りっぽいのは脱抑制という病名であることを告げました。会話が困難なことや,性格が一変したことは,後遺症が原因だったのです。




医療チームは,Qさんの家族と何度も面談をして,Qさんの意思を尊重しながらリハビリテーション計画を立てました。これまで実直に働いてきたQさんが職場復帰をして定年まで勤めることが,Qさんと家族の何よりの願いです。

目の前にある物品が何でどのように使うものか説明を求められると,適切な言葉がなかなか出てきません。その物品が,ハサミのように名前や使い方を良く知っているものであるにもかかわらず,言葉に詰まってしまうのです。その結果,Qさんは自分の感情を抑えられず,怒ってリハビリテーションルームから出て行ってしまうこともありました。







■高次脳機能障害の後遺症は本当に改善するの?


物事や状況をうまく説明できなければ,会社の同僚とコミュニケーションがむずかしいでしょう。
感情を爆発させることがたびたび起これば,良い人間関係が築けません。
一時は絶望のどん底に陥ったQさんの家族でしたが,医師の言葉に救われました。

高次脳機能障害による失語症の症状は,急性期すなわち脳を損傷してから間もない時期が一番重いのです。今は,まだ失語症の症状がかなり出ていますが,セラピストのリハビリテーションを受ければ,必ず回復していきますよ。」




感情のコントロールは,投薬や認知行動療法などで改善する可能性があるということで,Qさんの家族は希望の兆しが見えてきました。Qさんは,リハビリテーションをさぼりたくなっても,また仕事をしたいという気持ちが打ち勝って,リハビリテーションを休まず続けることができました。

その結果,徐々にですが,スムーズな会話ができるようになり,わがままを言って家族を困らせることも減っていきました。強い目的意識が,単調なリハビリテーションを継続させる原動力になったのです。




▼参考記事
よつば交通事故への「想い」と「こだわり」08:「高次脳機能障害と家族の会 (文責:前田徹)」
よつば交通事故への「想い」と「こだわり」12: 「事故後の人生 (文責:佐藤寿康)」

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