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交通事故のニュースで聞く,危険運転致死傷罪の一類型である高速度運転致死傷とはどのような犯罪なのでしょうか?

 
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交通事故のニュースで聞く,危険運転致死傷罪の一類型である高速度運転致死傷とはどのような犯罪なのでしょうか?

「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」と規定されています。




▼対象となる交通事故のニュース
「運転手に懲役3年6月 鳥取トンネル3人死傷事故で京都地裁 「制御困難な高速度認識あった」」

  危険運転致死傷罪


平成26年7月13日午前6時半ごろ、鳥取県智頭町のトンネル内で車を時速約140キロで走行させ、対向車線に出て防護柵などに衝突,3人を死傷させる交通事故がありました。

自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われた京都市の会社員(25)の裁判員裁判で、京都地裁は、懲役3年6月(求刑懲役6年)の判決を言い渡しました。
 

では、危険運転致死傷罪の一類型である高速度運転致死傷とはどのような犯罪なのでしょうか。





◆そもそも危険運転致死傷罪とは


危険運転致死傷罪とは,酩酊運転など類型的に高い危険性を帯びた運転行為により人を死傷させた場合に適用されます。

危険な運転行為に故意があり,死傷の結果については故意がないことが前提になっています。自動車の運転により人を死傷させる行為等に関する法律により,人を負傷させた場合は15年以下の懲役,人を死亡させた場合は1年以上の有期懲役と定められています。







◆高速度運転致死傷とは


自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条第2号は,「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」と規定しています。


「進行を制御することが困難な高速度」とは,速度が速すぎるため,自車を進路に沿って走行させることが困難な速度,当該速度で走行を続ければ,ハンドルやブレーキの操作のわずかなミスによって自車を進路から逸脱させて事故を発生させることになると認められる速度のことを言います。

進行制御が困難かどうかは,道路の状態・状況のほか,車両の走行性能,貨物の積載状況なども考慮して判断されます。なお,客観的事情に照らして判断すべきであり,運転時における運転者の心身の状態等の個人的事情については考慮しないとした裁判例があります(千葉地判平16・5・7)。






◆本件についてみると


本件事故現場は,最高速度が時速50キロメートルに規制されており,黄色のセンターラインで区分された片側1車線の対面通行道路であり,トンネルの出口手前で緩やかな左カーブとなっていました。




事故当日には強い雨が降っており,トンネル内の路面も湿潤していました。そして,トンネル内で車(ニッサンスカイライン)の速度を急激に上げ,事故で停止する10秒前には時速144.2キロメートルで走行し,ブレーキを踏んだことにより,車がスリップして右側対向車線にはみ出し,右前方に暴走して道路右側の歩道に衝突する結果を起こしたことから,「進行を制御することが困難な高速度」であったと裁判所は認定したようです。










◆終わりに


危険運転致死傷罪に該当する類型は,人の生命身体にとって高い危険性を帯びており,重大な結果を発生させます。運転手の方には,くれぐれも安全運転を心がけていただきたいと思います。




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 根來 真一郎)
プロフィール
弁護士法人よつば総合法律事務所
地域最大級の弁護士14名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
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