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子供の高次脳機能障害の注意点

子供の高次脳機能障害の注意点

最終更新日:2023年6月27日

監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎

Q子供の高次脳機能障害です。どのような点に注意すればよいですか?
A自覚症状がない高次脳機能障害に注意しましょう。また、症状固定時期や賠償交渉、復学を慎重に進めましょう。
子供の高次脳機能障害

高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは脳損傷による認知障害全般です。様々な認知障害だけではなく、行動障害や人格変化を伴うことが多いです。症状には記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。

自覚症状がない場合の注意点

高次脳機能障害は自覚症状がないことがあります。特に子供は自ら異常を訴えることができないことがあります。家族が見ても障害に気付かないときもあります。

頭部外傷ではCTやMRIの画像検査を行いましょう。画像所見に異常があるときは専門医の診断を受けましょう。

症状固定時期の注意点

症状固定とは治療を継続しても効果が見込まれず、症状の改善がない状態のことです。事故から一定の期間で症状固定になります。

症状固定になるとその後の治療費を保険会社は原則支払いません。後遺障害申請手続きに進みます。
症状固定とは
高次脳機能障害は、事故後1年以上経過した時点での症状固定が多いです。

しかし、特に小さい子供のときは、事故後1年前後での症状固定が相当ではないことがあります。より長期間経過してからの症状固定が望ましいことが多いです。理由は次の通りです。

  • 幼稚園や保育園、学校での生活への適応困難の程度を的確に判断するには、適切な時期まで経過観察が必要になることが多い。
  • 子供が成長したときにどの程度の適応困難を示すかは、脳損傷の重症度だけでなく、脳の成長と精神機能の発達による影響が大きい。

子供の高次脳機能障害は、症状固定時期を慎重に検討しましょう。

賠償交渉の注意点

一度示談をした場合、再度の示談交渉はできないのが原則です。

子供の場合、将来において症状が極端に悪化する可能性も否定できません。示談をするときは慎重に検討しましょう。

復学の注意点

注意障害や記憶障害、遂行機能障害などの症状は外見からはわかりません。復学後に学校の友人が病気を理解できないこともあります。結果として本人が孤立する可能性もあります。

退院後すぐに復学せず、専門家による心理的なサポートを受けながら復学準備をするのが望ましいでしょう。

役所や学校に相談してみましょう。地域生活支援拠点への相談も検討しましょう。

地域生活支援拠点とは、障害児者の生活を地域全体で支えるサービス提供体制を構築することを目的とする拠点です。

子供の高次脳機能障害は、復学を慎重に検討しましょう。

まとめ:子供の高次脳機能障害の注意点

子供の高次脳機能障害は、自覚症状がない場合に注意しましょう。また、症状固定時期や賠償交渉、復学を慎重に進めましょう。

(監修者 弁護士 大澤 一郎

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