後遺障害・慰謝料など交通事故は実績豊富な弁護士事務所にご相談下さい
メニュー
高次脳機能障害の診察と家族の同席

高次脳機能障害の診察と家族の同席

最終更新日:2023年6月28日

監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎

Q高次脳機能障害の診察に家族は同席した方がよいですか?
A高次脳機能障害の診察は、家族の同席が望ましいです。家族が医師に情報を正しく伝えておくと、治療やリハビリ、後遺障害申請が順調に進むことが多いです。
家族の付き添い(診察)

高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは脳損傷による認知障害全般です。様々な認知障害だけではなく、行動障害や人格変化を伴うことが多いです。症状には記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。

家族が同席しないと医師に症状が分からない

高次脳機能障害は記憶障害を発症することががあります。

会話に出てくる過去に体験したことの順番がおかしい、実際はなかったこと本当にあったことのように話すなどの症状が出ます。

記憶障害でこのような症状が現れたとき、初対面の医師は判断に迷います。発話が事実なのか、記憶障害による作話なのかわかりません。しかし、家族が同席していれば、どこまでが事実であるか医師に伝えることができます。

また、高次脳機能障害は社会的行動障害を発症することがあります。
感情や欲求がおさえられない、すぐ怒る、何もやる気がないなどの症状が出ます。

社会的行動障害は常時発生しているわけではありません。病院の診察室では普通にもかかわらず、家では問題行動が発生しているということもあります。家族が同席していれば、家での本人の状況を医師に伝えることができます。

家族が診察に同席することで、医師が高次脳機能障害の症状を正しく理解できます。医師が状況を正しく理解すると、適切な治療やリハビリを行えます。

後遺障害申請書類も家族の協力が必要

高次脳機能障害の後遺障害申請は次の書類を準備します。

神経系統の障害に関する医学的所見と日常生活状況報告は、本人の日々の生活状況に基づいた記載を行う部分があります。そのため、後遺障害申請にも家族の協力が必要です。

本人が症状を否定しているとき

高次脳機能障害は本人が症状を認めないことがあります。本人は正常と認識している一方、家族は明らかに異常と認識している状態です。

たとえば、高次脳機能障害は失行の症状が出ることがあります。失行とは、本人は指示された内容が分かっているのに、指示通りの動作や行動ができない症状です。うちわを渡してあおいでくださいと言うと、さかさまに持つといった具合です。

しかし、本人は自分が間違っているという自覚はありません。

このようなときは、異常の有無も含めて一度検査しようと家族が本人に説明し、本人と家族が一緒に診察を受けるのが望ましいでしょう。

まとめ:高次脳機能障害の診察と家族の同席

高次脳機能障害の診察は、家族の同席が望ましいです。家族が医師に情報を正しく伝えておくと、治療やリハビリ、後遺障害申請が順調に進むことが多いです。

(監修者 弁護士 大澤 一郎

高次脳機能障害の診察と家族の同席の関連情報