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専業主婦の休業損害

最終更新日:2024年3月7日
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監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎

Q専業主婦です。休業損害はどのように請求しますか?
A専業主婦も休業損害が請求できます。10,804円×家事ができなかった期間で計算します。
事故により家事ができなかったことを保険会社に説明しましょう。

専業主婦も休業損害が請求できる

専業主婦

休業損害とは事故による収入減です。
交通事故の賠償では、家事ができないことを休業損害として請求できます。

保険会社からの提案では、専業主婦の休業損害が抜けていることがあります。
しかし専業主婦も休業損害が請求できます。

専業主婦の休業損害の計算方法

専業主婦の対価

専業主婦の休業損害の計算方法は、2つの有名な基準があります。自賠責基準と裁判基準です。

自賠責基準

1日6100円で計算します。
通院日数1回を1日と計算することが多いです。ただし個別の事案により異なります。

裁判基準準

1日10,804円で計算します。(厚生労働省賃金構造基本統計調査)
期間は実際に家事ができなかった期間で計算します。
たとえば、30日間家事が100%できなかったときは324,120円の休業損害です。

【計算式】10,804円×30日=休業損害324,120円

自賠責基準と比べて裁判基準は高額になることが多いです。
裁判基準で請求をしましょう。

休業損害の期間は家事ができなかった期間

では休業損害の期間はどのくらいになるでしょうか?
家事ができなかった期間は休業損害が認められます。

たとえば、事故後90日入院していれば90日分の休業損害が認められるでしょう。
事故後1カ月自宅で寝たきりだったときは30日分の休業損害は認められるでしょう。

家事ができなかった期間が計算しにくいとき

家事ができなかった期間は計算しにくいです。
何か一律の基準はあるのでしょうか?

実は、一律の基準はありません。

家事ができなかった期間は個別の状況により決まります。
具体的には次の計算方法を使います。複数の計算方法を組み合わせることもあります。

1月、2月など概算で決める方法

「30日休んだ」「60日休んだ」「75日休んだ」など概算で計算する方法です。

通院日数を基準に決める方法

通院した日は家事ができなかったと計算する方法です。
たとえば、通院日合計が50日であれば「50日休んだ」と計算する方法です。

〇%家事ができないと計算する方法

「入院1カ月は100%家事ができない」「31日から45日までは80%家事ができない」「46日から60日までは50%家事ができない」などと計算する方法です。

複数の方法を組み合わせる方法

複数の計算方法を組み合わせる方法もあります。たとえば「事故から30日は100%休み、31日から90日までの60日中通院した30日分50%休んだ」などと計算する方法です。

【計算式】(10,804円×30日)+(10,804円×30日×50%)=休業損害486,180円

適切な期間で計算するポイント

では主婦の休業損害を適切な期間で計算するにはどうすればよいでしょうか?

家事には料理や洗濯、掃除、育児、介護などがあります。
どのような家事がいつまでどの程度できなかったのかを、怪我との関係で説明することが大切です。文章にまとめて保険会社に提出する方法もよいでしょう。

ポイントは次の4つです。

  • 家事の種類
  • 家事ができなかった期間
  • 家事ができなかった割合(100%、80%、50%など)
  • 怪我との関連性

失敗する前にお読みいただきたいQ&A

Q主婦の休業損害の提示がありませんでした。このまま示談してよいですか?
A一度示談をするとやり直しはできません。主婦の休業損害を主張しましょう。
Q日額6,100円の提示が保険会社からありました。このまま示談してよいですか?
A6,100円は自賠責基準です。より高額な日額を主張しましょう。

Q兼業主婦ですが主婦分の休業損害の提示がありませんでした。このまま示談してよいですか?
A兼業主婦も休業損害を請求できます。主婦分の休業損害を請求しましょう。

まとめ:専業主婦の休業損害

専業主婦も休業損害が請求できます。
10,804円×家事ができなかった期間で計算します。
事故により家事ができなかったことを保険会社に説明しましょう。

(監修者 弁護士 大澤 一郎

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