HOME > 慰謝料 > 傷害慰謝料の基準の変更(赤い本2016年)

傷害慰謝料の基準の変更(赤い本2016年)

 
このエントリーをはてなブックマークに追加

 2016年の赤い本で傷害慰謝料の基準はどのように変わりましたか。
 傷害慰謝料基準の別表T,別表Uの表現が変更となっています。

◆別表Tについて
従来の基準は,「通院が長期にわたり,かつ不規則である場合には実日数の3.5倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることがある」という基準でした。2016年の赤い本では「傷害慰謝料については,原則として入通院期間を基礎として別表Tを使用する。通院が長期にわたる場合は,症状,治療内容,通院頻度を踏まえて実通院日数の3.5倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることもある。」と変更されました。

◆別表Tの変更のポイント@
症状・治療内容・通院頻度という要素を実質的に考慮して判断をすることが明示されました。今までも,交渉・裁判等では症状・治療内容・通院頻度を加味した判断がなされてきていますので,その内容を明記したものとなります。

◆別表Tの変更のポイントA
「目安とすることがある」を「目安とすることもある」と変更しています。3.5倍の基準は例外的な基準であることをより明確にしたものと考えられます。

◆別表Tの変更のポイントB
「不規則」という表現を削除しています。不規則という表現の持つ意味があいまいであるために削除したものと考えられます。

◆別表Uについて
従来の基準は,「むち打ち症で他覚所見がない場合には別表Uを使用する。この場合,慰謝料算定のための通院期間は,その期間を限度として,実治療日数の3倍程度を目安とする」という基準でした。2016年の赤い本では,「むち打ち症で他覚所見がない場合等は入通院期間を基礎として別表Uを使用する。通院が長期にわたる場合は,症状,治療内容,通院頻度を踏まえ,実通院日数の3倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることもある。」と変更されました。

◆別表Uの変更のポイント@
むちうち症で他覚所見がない場合「等」という表現に変更となりました。軽度の挫傷・打撲などの場合にはむち打ち症でない場合であったとしても別表Uが使用される確率が高くなります。

◆別表Uの変更のポイントA
原則は通院期間という点がより重視されました。3倍の基準を使用するのは「通院が長期にわたる場合」との限定がされています。また,3倍という基準を「目安とすることもある」と記載して,3倍という基準が例外的であることを示しています。

◆変更についてのまとめ


  • 原則は入通院の期間があることがより強調されています。3.5倍,3倍の基準は例外的な扱いであることがより明確になっています。

  • 打撲・挫傷など,これまで「むちうちで他覚所見がない場合」に明確に当たらなかったような事案であったとしても,今後は別表Tではなく,別表Uを利用することになる機会が多くなるでしょう。



(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)
| 慰謝料 |
プロフィール
よつば総合法律事務所
千葉県最大級の法律事務所。弁護士16名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
柏事務所:千葉県柏市(柏駅徒歩3分)
千葉事務所:千葉市(千葉駅徒歩3分)

<< 2016年 04月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事