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解決事例

事例025頸椎捻挫・右大腿骨骨折・左膝関節骨折

控訴審において当方に有利な過失割合が認められた事例(14級9号)

最終更新日:2023年05月23日

文責:弁護士 大澤 一郎

保険会社提示額 : 341万円

解決額
460万円
増額倍率 :1.3
病名・被害
  • むちうち(首・腰)
怪我の場所
  • 足・股・膝
後遺障害等級
  • 14級

事故発生!バイク自動車の事故

平成20年某月、会社員の酒井さん(仮名・愛宕在住・40代・男性)がバイクで走行中、交差点で右折した対向車に衝突されるという被害に遭いました。

相談から解決まで

裁判所
被害者は、事故によって、頸椎捻挫・左大腿骨骨折・左膝関節骨折等の傷害を負いました。約1ヶ月の入院及び約1年の通院を経て、後遺障害の申請を行い、左大腿骨折後の疼痛により14級9号が認定されました。

認定後、ご本人で交通事故紛争処理センターでのあっせん手続きを行い、341万1,176円という裁定額が提示されました。

しかし、過失相殺の点等で納得がいかなかったことから、当事務所に相談。当事務所が受任し、訴訟提起を行いました。

その結果、控訴を経て、当方に有利な過失割合を前提とする和解が成立しました(和解額460万円)。

当事務所が関わった結果

当事務所が交渉を行った結果、賠償額が約120万円増額しました。

ご本人で行った紛争処理センターでのあっせん手続きでは、当方:先方=15:85の過失割合でしたが、控訴審において、当方:先方=1:9の過失割合を前提とする和解が成立しました。また、傷害慰謝料についても、当方主張の金額が認められました。

解決のポイントは以下の点です。

1傷害慰謝料について

被告側は、原告側の後遺症がむちうち症であるとして、傷害慰謝料について、別表Ⅱで計算すべきと主張しました。それに対し、当事務所は傷害の度合いが強く、典型的なむちうち症ではないことから、別表Ⅰで計算すべきとの主張立証を行い、当事務所の主張が認められました。

別表Ⅰは重症の方に用いられる慰謝料の基準の表で、軽症の場合の別表Ⅱに比較して、十万円~数十万円前後慰謝料が多く算定されます。

この別表ⅠとⅡの使い分けについて、裁判基準(赤い本)では、「むち打ち症で他覚所見がない場合等は別表Ⅱを使用する」「等は軽い打撲・軽い挫創(傷)の場合を意味する」とされています。左大腿骨骨折・左膝関節骨折等の重傷を負い、他覚所見により痛みを訴え通院していた本件について別表Ⅱを用いることは明らかに妥当ではないと考え、最後まで裁判で争いました。

骨折等他覚的所見が認められて通院していたにもかかわらず、別表Ⅱを用いることを主張されることもありますが、赤い本の記載に従い、しっかりと反論することが必要です。

2過失相殺について

本件は、紛争処理センターから訴訟に移行した珍しい事例でした。
ご本人で行った紛争処理センターでのあっせん手続きでは、当方:先方=15:85の過失割合であり、第一審の判決でも同様の過失割合でした。

しかし、控訴審(高等裁判所)では、尋問の内容を踏まえ、当方:先方=10:90の過失割合で和解することができました。警察が作成した実況見分調書の記載が不自然である旨の主張を詳細に行った結果、高等裁判所では10:90で和解すべきであると判断がなされました。

紛争処理センターや裁判における審理の実態として、警察の作成した資料、特に実況見分調書の内容を信用してそのまま参照してしまうことが多いです。仮に警察が、誤った認識や、加害者の誤導により、事実と異なる資料を作成していたとしても、この信用性を否定することはかなり大変です。

本件でも紛争処理センターのあっせん委員や第1審の裁判官は警察の作成した実況見分調書のとおりに事実関係を認定していましたが、控訴審では、当事者の証言と警察が作成した実況見分調書の矛盾点をついて、当方の主張を認めさせたという点でも画期的な事例でした。

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依頼者様の感想

本当にありがとうございました。

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