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交通事故事案に弁護士がかかわる意味(文責:佐藤寿康)


■適正な損害賠償0006s.jpg 
 全く同じ交通事故は存在しませんし,「この程度の交通事故だと損害はいくら。」と画一的に決まっているわけではありません(もちろん,そんな制度が非現実的であることはいうまでもありません。)。事案ごとに損害額の算定をしなければなりません。

 損害の算定に用いられている基準には,大きく分けて,自賠責の基準,任意保険会社の基準,訴訟での基準の3つがあります。裁判所が基準を公開しているというわけではありませんが,実際には「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」(いわゆる「赤い本」)という文献に損害額算定方法が記載されており,これが一般の訴訟事件では用いられています。自賠責保険は被害者の最低限度の損害填補を図るためのもので,3つの基準の中では1番低いです。1番高額なのは,訴訟での基準です。裁判所が用いている基準が適正でないはずはありませんから,適正な損害額を算定するためには,訴訟での基準を用いなければなりません。

 ところが,実際には,任意保険会社は,被害者に対して,任意保険基準を用いて算定した損害額を賠償案として提示します。もちろん,他に適正な基準があることは御存じないまま,合意書面に署名押印してしまっている例が大多数です。 このようにして,大多数の被害者の方が,適正でない損害賠償を受けています。

 弁護士が交通事故案件にかかわる意味の大きなものとしては,適正な損害賠償を受けて頂くことにあります。これは,裁判所に持ち込まなければ実現できないというものではありません。 実際に御依頼を受けました件についてはもちろん適正な賠償を受けて頂くべく尽力するわけですが,それにとどまらず,1人でも多くの被害者の方にこのことを知っていただきたいと考えています。このようにホームページに記載するのは,そうした思いからです。


■適正な後遺障害認定
 治療はけがを治すために行うものです。その結果完治するのが何よりです。
 しかし,常にそうなるわけではありません。 治療をきちんと行ったにもかかわらず,治療が終了したときに症状が残った場合,その後遺症が後遺障害として認定されるべきものであれば,そのようにきちんと評価されるべきです。

 ところが,実際には,必要なときに必要な検査をしていなかったり,治療の経緯がよくなかったりといったことが原因で,等級認定されなかったり,あるべき等級より低い等級での認定にとどまったりすることが,残念ながらよくあります。

 実際には後遺障害に該当すべき後遺症が残ったのに,このような理由で後遺障害であると評価されないことを防ぐということも,交通事故案件に弁護士がかかわる意味の大きなものだと考えています。被った損害は,適正に回復しなければなりません。


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